日本は諸外国と比べて、極端に投資をしている割合が低いです。もちろん、投資をすることが正しいという訳ではありません。十数年前までは、貯金でも年利5%など預貯金でもお金が増えた時代もありました。しかし現在では、銀行に預けても0.02%程の金利しかありません。それに加えて、インフレによって円の価値が下がっているので、預けているお金の価値はどんどん減っているのが現状です。
一方アメリカでは、リスクを取りながらでも積極的に投資をすることで資産を大きく増やしていることも事実です。時代の変化に合わせて、お金の持ち方を変えていかなければならないことを理解しましょう。投資の正しい知識を身につけたうえで、投資をするかしないかを判断できるようになっていきましょう。
日本人の貯金と投資の割合
日本人は伝統的に貯金志向が強いとされています。日本銀行の統計によると、家計の金融資産の中で預貯金の割合は50%以上を占めています。2023年のデータでは、家計の金融資産のうち約54%が現金・預金として保有されています。投資においては、わずか15.4%(株式等11%、投資信託4.4%)しかないという結果も出ています。
現金・預金 54.2%
保険等 26.2%
株式等 11.0%
投資信託 4.4%
債務証券 1.3%
その他 2.9%
現金・預金・保険のようなと安全な資産での保有率が80%を超えています。ちなみに、アメリカでは「株式・投資信託」で51.3%で、「現金・預金・保険」で41.2%となっています。
貯蓄が多い理由と投資をしない理由
日本人に貯蓄が多い理由や投資を避ける理由には、文化的・歴史的要因などが影響しています。
文化的要因
・日本人は、安定を重視し不確実性を避ける文化的な特性を持っています。
・高齢化社会や年金制度への不安から、老後に備えて貯蓄する傾向があります。
・日本では学校教育で投資や金融に関する教育があまり行われていません。そのため、多くの人が投資について十分な知識を持っておらず、リスクやリターンについて理解が不足しています。
歴史的要因
・1990年代初頭のバブル崩壊以降、株式市場や不動産市場のリスクを認識したことで、安全な資産としての貯蓄が好まれるようになる。
・戦後の経済成長期には、銀行預金や郵便貯金が主流でした。この時期の成功体験から、貯金が安心・安全という認識が根強く残っている。
親からお年玉は貯金しなさいって言われるのも、こういった歴史的な要因が影響しているかもしれません!
日本と海外における金融資産の比率の違い
国が調べたアメリカの家計金融資産では、「現金・預金」が約13%である一方、「株式等・投資信託」の割合は約51%を占めます。日本の金融資産とは、真逆の割合を示しています。
そして、日本とアメリカの家計金融資産を見比べると、2003年を基準にアメリカが2倍以上金融資産を増やしています。理由は、アメリカが日本よりも多くを占める株式等や投資信託の価格が年々上昇していることで、アメリカの家計金融資産の拡大ペースが日本よりも早くなっているためです。
20年間で日本とアメリカで金融資産が2倍以上の差ができてます。これは、資産の半分を投資に回していた結果ですね!
アメリカ人が投資の多い理由
アメリカ人が投資の多い理由も、文化的・経済的要因などが影響しています。日本では、お金の話はタブー化されている傾向がありますが、アメリカでは子どもの頃から学校でもお金の授業を行っております。小さい頃の金融教育の差が、金融資産の差と言っても過言ではないでしょう。
「日本人もそうでしたが、投資をするかしないかは国民性が大きく関係しています。」
文化的要因
・アメリカ人は一般的にリスクを取ることに対して前向きです。起業家精神や自己責任の文化が根付いており、投資もその一環とされています。
・学校教育やメディアを通じて、投資や金融に関する教育が行われており、個人が早い段階から投資の重要性を理解しています。
経済的要因
・アメリカでは、退職後の資産形成を支援する税制優遇措置が充実しています。
・アメリカでは、退職後の生活資金を投資によって賄うことが一般的です。社会保障制度があるものの、それだけでは十分でないと考える人が多く、個人年金や投資によって将来の資金を確保しています。
・アメリカには多様な投資商品が存在し、株式、債券、不動産、コモディティ、ETFなど、個人投資家が選べる選択肢が豊富です。
投資と貯金の割合 まとめ
・日本人が投資をしない理由は、国民性の影響が大きい
・日本人の投資割合15%、貯蓄割合54%
・アメリカ人の投資割合51%、貯蓄割合13%
・20年で金融資産が倍以上の差ができてしまった
一般的に投資をした方がいいと言われていますが、そもそも教えてもらわなったことをするのは怖いですしリスクもあります。しかし、投資を知らないからと言って、貯蓄をし続けることもリスクがあることを知るべきです。近年では、学校教育で金融教育も始まっています。自ら学んでいかないと若い世代に差をつけられてしまいます。
何も知らずに情報弱者になってしまうのはもったいないですし、誤った投資の知識で「投資詐欺」に引っかからないように、少しずつお勉強していきましょう。